「事故を起こすのは横着しているとき」
ということで、この記事ではフォークリフトの事故について取り上げています。
- フォークリフトに関係する事故ってどんなのがあるの?
- 事故を防ぐにはどうすればいい?
という方に向けて、
- 僕が実際に経験した事故
- 事故が起こる原因
- 事故を起こさないために注意したいこと
を紹介しているので、実際に起きた事故の状況を知るだけでなく、事故の防止策も知ることができる内容になっています。
安全にフォークリフトでの作業をするため、当記事を役立ててくださいね!
アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/
もくじ
フォークリフトの死亡事故発生状況
ここでは、フォークリフトが原因とされる死亡事故の発生件数を紹介します。どのような状況で事故が発生しているのか見ていきましょう。
平成31年/令和元年 死亡災害発生状況(12月末累計) ※フォークリフトに起因するもの | |
状況 | 発生件数 |
墜落・転落 | 6件 |
転倒 | 5件 |
飛来・落下 | 2件 |
激突され | 3件 |
はさまれ・巻き込まれ | 4件 |
計 | 20件 |
出典:厚生労働省ホームページ 職場のあんぜんサイト 参考元URL:https://anzeninfo.mhlw.go.jp/user/anzen/tok/anst00.htm |
平成31年のフォークリフトに起因する死傷者数は2145件と、死亡者数と比べて跳ね上がります。
これに労災とならなかった事故を含めると件数はさらに増えるでしょう。
ここまでフォークリフトに起因した事故が多いのには驚きですね。
フォークリフトの事故が起こる原因

フォークリフトでの事故はどのようにして起こるのか、ここでは事故の要因を解説していきます。
最大荷重を超える荷物の運搬
最大荷重ギリギリの荷物を運搬することで、車体が転倒してしまうケースですね。
荷物の形や大きさ、爪のどの部分に荷物が乗っているか、荷物を上げる高さによって最大荷重は変わってきます。
また、重量物を運搬することでハンドル操作をした時の車体の動きが不安定になり、対人・対物事故が起こりやすくなるものです。
仕事が忙しい時には一気に荷物を運びたくなるものですが、車体の転倒や荷崩れ、操作ミスといった事故が起こりやすいことを覚えておきましょう。
急ハンドル・急ブレーキ
急ハンドル・急ブレーキをすることで、車体がスリップして転倒する事故につながります。また、これらの操作は荷崩れを引き起こすものです。
- 転倒した際に運転者が投げ出され、車体の一部に押しつぶされて死亡した。
- 崩れた荷物が運転席を直撃して、運転者が死亡した。
という事故が実際に発生しています。急な操作をすることで得になることは一つもありません。
悪路の走行
前の項目で紹介した死亡事故で、一番件数の多かった墜落・転落事故。
段差ギリギリを走行している時に操作を誤り、車体ごと下へ転落してしまうという事故ですね。
フォークリフトは小回りが利くため、狭い場所でも運転ができるという特徴があります。
道が塞がっていたため、やむなく段差ギリギリを走行するといったこともあるでしょう。
危険な道を走行することは、ちょっとしたミスで大事故につながる可能性があるということですね。
操作ミス
- 前進と後進を間違え、たまたま近くにいた人を轢いてしまった。
- ブレーキ操作を誤りトラックに衝突した際に、近くにいた人がトラックとフォークリフトに挟まれてしまった。
という事故があります。操作ミスは誰しもがすることですが、状況によっては大事故につながってしまいます。
また、整備不良で思わぬ動きをしてしまうケースがあるため、フォークリフトの定期的な点検は必要ですね。
いずれの場合も、周囲の人を巻き込んだ事故になるため、周囲の状況を確認することが重要です。
無理な仕事内容
常に時間に追われるような忙しい状況だと、余裕をもって業務に当たることが難しくなります。
余裕のない状況では冷静な判断ができなくなり、作業が雑になってくるもの。危険なものを動かしているという自覚が必要ですね。
また、フォークリフトでの作業は倉庫で行うことが多いため、気温の変化が激しいものです。
体調不良や疲れを感じた際には、こまめな休息をとることも重要です。
フォークリフトの事故の実例

ここでは、僕が実際に目撃・体験したフォークリフトでの事故を紹介します。
過積載により車体が前傾した事故
僕が実際に体験した事故ですね。最大荷重3.5tのフォークリフトで作業していたのですが、急いで業務をこなしていたため2tちかくある荷物を2つ重ねて運んでいました。
運んでいる途中で前を確認しようと、目線の高さまで荷物を上げた瞬間、車体がゆっくりと前傾し始めたのです。
慌てて荷物を下げたのですが間に合わず。
「ヤバい!転倒する!!」
と思ったら、運よくパレットが壊れて荷物が投げ出されたおかげで、車体は着地しました。
着地した時の衝撃は凄まじく、体が宙に浮いたほどです。この事故で、商品を2山ダメにしてしまいました。
本気で死ぬと感じた事故でしたね。
- 重量を無視して運搬していたから
- 最大荷重ギリギリの状態で荷物を上昇させたから
- 一山ずつ運ぶべきだった
- 荷物の重量を確認すべきだった
高さ5mから荷物が落下した事故
これは僕が目撃した事故です。作業を手伝ってくれていた運転手が、5m上にある荷物をすくった際に、爪を手前側に倒しすぎたために荷崩れを起こしました。
一個20kgある荷物が5個ほど落下したのですが、ヘッドガードに当たったため運転手は無傷でした。
ブレーキランプが粉砕するほどの威力だったので、万が一直撃していたら大怪我を負っていたでしょう。
- バランスの悪い荷物とわかっていて、爪を手前側に倒しすぎた
- 水平の状態で荷物を下げるべきだった
無理に荷物を持ち上げたせいで発生した荷崩れ
こちらは僕が起こした事故です。倉庫には1階と2階があり、僕は2階に上がってきた荷物を片付ける作業をしていました。
エレベーターで荷物が上がってきたのを見た瞬間、積み荷のバランスが悪いことに気が付きました。
3段重なった状態で少し横に傾いていたんですね。
「ここまで運べたんだから大丈夫だろ」
と判断し、荷物をすくった瞬間、重さに耐えきれなくなったパレットは壊れ、荷物は崩れ落ちてしまいました。
- 積み荷が不安定な状態だったにもかかわらず、そのまま持ち上げたため
- 一山ずつ降ろすべきだった
紹介した事故では、人がけがをすることはありませんでしたが、もし近くに人がいたら巻き込まれていたことでしょう。
つまり、運がよかっただけです。一歩間違えば、簡単に人の命を奪ってしまう事故だったわけですね。
フォークリフトの事故を防ぐために

フォークリフトの事故を防ぐために、少しでも「変だな?」「いつもと違うな?」と感じたら確認すべきです。野生の勘というのはよく当たりますからね。
他にも、事故を防ぐための対策として
- 重い荷物を無理に運ばない
- 安全な道を走行する
- 周囲の状況を確認する
- 積み荷の状態を確認する
- 急ブレーキ・急ハンドルはしない
といった事を守るようにしたいですね。
また、集中力が切れると運転が雑になるもの。危険なものを取り扱っているという自覚を忘れないようにしましょう。
まとめ
フォークリフトに起因する事故は毎年発生しています。「自分では気を付けているつもりなのに・・・。」と感じていても、どこかで手を抜いている部分があるはずです。
無理な操作・無理な走行をしない、周囲の確認を怠らないことで、フォークリフトの事故を防ぐことができます。
事故を起こしてから後悔しても手遅れです。安全な作業で事故のないよう業務にあたりましょう!

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